吾輩はナナである

吾輩はナナである

吾輩はナナである Ep3

昨年の火事から逃げ延びた猫はうちの倉庫にやってきた。逃げ延びたのか、たまたまそこにいなかったのかはわからない。裏山は杉の林であり、すぐわきはうちのビニールハウスがあり、風向きによってはうちも焼かれるかと覚悟した。火は山を上へと駆け上がったが...
吾輩はナナである

吾輩はナナである ep_2

時は昨年の春2023年のことである。突然の電話、隣のうちのあたりから煙が出ている、火事ではないかと。そういえば見ていたテレビが映らなくなったがどうしたことかと気になった矢先のことだった。この辺りは共同アンテナで有線を引いているのだが、ご主人...
吾輩はナナである

吾輩はナナである ep_1

おととしの夏、ご主人様が小菊の出荷準備のため倉庫を片付けていた時のことである、どこからともなく子猫らしき鳴き声が聞こえてきた。そもそも吾輩は猫が嫌いだ、我が家にやってくる猫は見つけ次第追いかけ、追い払っていたのである。我が家の隣に自転車で行...
吾輩はナナである

吾輩はナナである prologue 

吾輩は犬である、名前はナナ。れっきとした女の子である。生まれて半年で峠を越えた集落の山や畑に囲まれた家にやってきた。しばらくはかわいがられ、それなりに楽しく悠々自適な暮らしを送っていたのである。一昨年の夏、我が家の倉庫の段ボール箱の中から子...