吾輩はナナである ep_2

吾輩はナナである

時は昨年の春2023年のことである。
突然の電話、隣のうちのあたりから煙が出ている、火事ではないかと。
そういえば見ていたテレビが映らなくなったがどうしたことかと気になった矢先のことだった。
この辺りは共同アンテナで有線を引いているのだが、ご主人様は組合長を任せられている手前すぐ気にするのである。
外の出てみた隣の家から炎と煙がすさまじく、後ろの山に燃え広がっていたのである。
このうちに住んでいたのが家で育ったユズの兄弟であろう白い猫とトラ猫の2匹である。
たまにうちに来ては吾輩に追いかけられている猫たちだ。
現場に駆け付けると燃え盛る建物の中から一匹の猫が飛び出してきたらしい。ご主人様はこの猫のことを心配していた。毛が焼け焦げていたらしい。のちにこの子はうちの農機具置き場で死んでいるのが発見されるのである。もう一匹の白い猫はどうしたものかと気にかけていたら、軽トラックの置き場に避難しているのがわかった。その後雪も降り、寒さも厳しくなり、見るに見かねたご主人様は餌と寝床を用意してやった。雌猫と思われたこいつは、のちにココと名付けられた。

コメント